<ヤクルト13-1阪神>◇5日◇神宮

 ビジターが弁慶の泣きどころ!?

 阪神ランディ・メッセンジャー投手(32)が負傷でバレンティンを欠くツバメ打線に2発を含む8安打を浴び4回5失点KO。前回甲子園で2安打完封の威光もなく、ビジター登板9戦連続勝ちなしとなった。中5日で先発の軸となる助っ人の内弁慶ぶりは何とも気掛かり。チームは5カードぶりに負け越し、またも3位転落だ。

 家族連れで埋まったスタンドの雰囲気とは対照的に、メッセンジャーは終始ブルーだった。制球が定まらずに荒れたばかりでなく、低めへのフォークをことごとく見逃された。イライラは募るばかり。何度もツバを吐き、首をひねった。今季最短の4回で降板し、8安打5失点と散々だった。広島打線相手に2安打完封した前回とは、まるで別人だった。

 「結果的に5点とられていいところがなかった。申し訳ない。野球だから、完封することもあれば、打たれることもあるけどね」

 集中力は次第に散漫になっていった。4回に2発目のソロを被弾。すると連続四球で走者をため、右前適時打を浴びる悪循環に陥った。中西投手コーチも「気持ちも入ってなかったし、乗っていなかった。やってもらわないと困る」と厳しく奮起を促した。

 右のエースを託される男が内弁慶では困る。今季はビジター5試合に登板し4敗。昨季から合わせると9試合連続で勝ち星なしとなった。「別に苦手意識はない。いつもいつもホームでできるわけではないからね」と口にするが、気になる数字だ。中西投手コーチは「言い訳になる」としながらも、デーゲームで大学野球が開催されていたことから、マウンドが軟らかくなっていた影響も示唆した。

 中5日で優先的にローテーションを回っているだけに2勝4敗は首脳陣にとっても歯がゆい成績だ。和田監督も「相当イライラしていたな。良くなる兆しがなかったな。何とか柱のピッチャーだからね。(ビジターは)何年もやっているんだから言い訳にならない」と厳しい言葉を並べる。

 5カードぶりの負け越し。ローテの谷間の鶴で勝ち、柱の能見、メッセの両輪で落とした。黒星がズシリと重い。【池本泰尚】

 ▼メッセンジャーが神宮で敗れ、ビジター球場では13年8月25日ナゴヤドームでの中日戦に勝って以来9試合連続白星なしの5連敗となった。来日後ビジターでは16勝22敗と借金6(ホームでは25勝14敗で貯金9)。防御率もホーム2・28に対し、ビジターでは3・90と苦戦している。