復帰マウンドが見えてきた。右肘関節内側の側副靱帯(じんたい)損傷から再起を期す中日浅尾拓也投手(29)が早ければ5月中にも実戦復帰することが8日、分かった。ナゴヤ球場の屋内練習場で故障後初めて、本格的な打撃投手を務め、オール直球の45球を投げた。佐藤2軍投手コーチは「実戦もそんな遠い話じゃない。すべてが順調にいけば、今月末にもファームで投げるかもしれない」と明るい見通しを示した。

 4月24日にフリー打撃に登板した際はマウンドから3メートル打者に近づき「4、5割程度」という力加減だった。確実にステップアップし「ストライクが入りましたし、とりあえず今まで出来なかったことが出来た。まあ、順調です」。マウンドから降りるといつも通り慎重な口ぶりだが、調整はプラン通りに進んでいる。

 最短の実戦復帰に定めるのは5月27日からのウエスタン・リーグ広島、ソフトバンク6連戦。もちろん浅尾はセットアッパーを期待されるだけに、佐藤コーチは「いろんな想定が必要」とも話した。走者を置いた局面や連投などさまざまな状況を試す必要がある。「足踏みはOKだけど後戻りはダメ」と無理をさせない方針もある。

 現在、1軍の中継ぎは福谷、祖父江、又吉ら若手が10試合以上に登板するなどフル回転。ただし岩瀬につなぐ8回は日替わりで、勝ちパターンが確立していない。計画通り進めば、1軍復帰は6月。背番号41が確実に歩を進めた。【桝井聡】