DeNAがキューバ代表の大物野手、ユリエスキ・グリエル内野手(29)の獲得に乗り出し、近日中に合意する可能性が高いことが11日、分かった。高田繁GM(68)が「(獲得に向け)話をしているのは事実。いい報告ができればいいと思う。結論はそんなに時間がかからないと思う」と明言した。すでに渉外担当者が現地入りし、交渉は最終局面とみられる。グリエル側の関係者と複数回の下交渉を進めており、条件面の詰めを進めている模様だ。

 グリエルはアテネ五輪で金メダルを獲得するなど五輪に2度、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は3度出場するなど、キューバ代表の主軸として活躍。非凡な打撃センスと、高い守備力から「キューバ野球界最高の選手」という評もあるほどだ。DeNAは昨年12月に池田球団社長が同国リーグを視察するなど幅広く情報を集めていた。チームは現在4連勝中と好調だが、チーム打率2割5分1厘、146得点は、ともにリーグワースト。CS進出への打線の低迷打破に向け、獲得に動くことを決断した。高田GMは「今、メジャーも含めて獲得に動ける最高の選手。グリエル以外だったら、今の(チーム)状態で動くわけがない。何をおいても獲得したい選手。何としても来てもらいたいと思っている」とラブコールを送った。

 主砲ブランコが負傷離脱中ということもあり、中畑監督の期待も大きい。「今は苦しい中で勝ち試合ができているけど、打線は低迷している。浮上するための起爆剤になるんじゃないかな。(獲得)実現に大いに期待しています」と話した。契約が合意すれば、5月末から6月上旬の来日とみられる。交流戦途中からになるが、チーム浮上への大きな力となりそうだ。

 ◆ユリエスキ・グリエル

 1984年6月9日、キューバ生まれ。父ルルデスは92年バルセロナ五輪金メダリストで、同国の英雄リナレス、キンデランとクリーンアップトリオを組んでいた。キューバ国内でプレーし、18歳の02年インターコンチネンタル杯から代表入り。走攻守に優れた万能型内野手で、第1回WBC(06年)では二塁手としてベストナイン。第3回WBC(13年)は主将。代表ではリナレスの背番号10を継承している。12年11月18日の侍ジャパン強化試合(札幌ドーム)では涌井から本塁打。183センチ、89キロ、右投げ右打ち。