<巨人5-1広島>◇17日◇東京ドーム

 巨人菅野智之投手(24)は7回1失点の好投でハーラー単独トップに立つ7勝目を挙げた。

 報道陣に囲まれ、菅野を安堵(あんど)感が包んだ。自身の初黒星で始まったチームの連敗を、自らの快投でストップ。相手は首位広島で、エース前田に投げ勝った。「いろんなことを背負うと、ピッチングに集中できなくなる。しっかり試合を作る、という役割を全うしようと思った」。7回1失点で、リーグ単独トップの7勝目を挙げた。

 自身の「連敗神話」を継続させた。前回登板の阪神戦で今季初黒星。「連敗したくない、という気持ちはある」と言うが、プロ入り後、1度もなかった連敗を許さなかった。切り替えの早さも一因だが、失敗を糧に変えるすべを知る。昨季、疲労で夏場に失速した反省から、今年はシーズン序盤に走り込み、体力の貯金を作るプランを立てた。

 菅野

 去年、夏場に勝てなかった。同じ失敗はしたくないんです。

 昨年の夏、内海から「疲れがあるなら、練習量を落としてみたら?

 キャンプからやってきたんやから」と助言を受けたが、「練習量を減らす勇気も自信もなかった」と通常のメニューを続け、疲れをためた。今年は中5日が続く中でも、ランニングの量を1~2本増やし、勝負の夏場に備える。

 菅野には珍しく、自身ワーストタイの5四死球を与えたが、裏を返せば丁寧に投げた証し。原監督は「相手もエース前田。いろんな状況の中で、1つクリアした。粘り強く見えた」と評価した。「今後につながるピッチングができた」。菅野がまた1段、階段を上った。【久保賢吾】

 ▼前回の登板で今季初黒星を喫した菅野が7回1失点で7勝目。1年目の13勝と合わせ通算20勝となったが、ここまで菅野は連敗が1度もない。ドラフト制後に巨人へ入団した投手で、連敗なしで通算20勝に到達したのは堀内、上原、山口に次いで4人目になる(ドラフト制以前を含めるとチーム9人目)。