Kラッシュで奪首へ加速-。阪神能見篤史投手(35)が、今日6日オリックス戦で甲子園4連戦の先陣を切る。ここまで3戦連続で2桁奪三振をマーク。4戦連続なら71年江夏豊に並ぶ球団記録だ。関西ダービー第2ラウンドから始まる交流戦後半戦。前回9回無安打の金子とエース対決を制し、セ首位への流れを呼び込め!

 能見は関西ダービー第2ラウンドへ向け、甲子園で汗を流した。ここまで3戦連続で2桁奪三振を記録。球団では71年の江夏以来2人目となる4戦連続を視界にとらえた。フォア・ザ・チームの能見は「気にしていない」と無関心だが、ここ3試合は「取れるところで取れていた」と手応えもあった。

 狙って三振を取る-。投球術に加え、鋭い観察眼がなせる技でもある。打者と相対した際に、能見はスイングをじっくり観察。ねらい球を察すると、別のボールを選択し、その裏をかく。まるで心の中をのぞくような究極の眼力を備えている。自己最多タイの13奪三振を記録した5月24日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、アウトを取る最善の手段として三振を選択したというから驚きだ。

 能見

 気持ち的には三振しかとれないような感じだった。前に飛べばヒットだった。(打者の狙いは)みんながみんなじゃないけど、分かる打者はスイングを見ていれば明らかに分かりますよ。

 個人記録はもとより、4連勝すれば、現在2ゲーム差で追う広島をまくって奪首の可能性もある甲子園4連戦の初戦だ。オリックス先発はエース金子。昨季も交流戦で激突し、完封勝利で制した。とはいえ金子は1日巨人戦で9回ノーヒットの快投を披露したばかり。それでも、能見は昨季を思い返しながら、意外な言葉を口にした。

 能見

 去年は去年。負けてもいいと思って投げてたからね。ある意味で開き直りと言うか。対戦するのは投手じゃないのでね。ある程度開き直っていかないとね。

 自身はここまで5勝4敗。できるだけ長いイニングを投げ、勝利に貢献することを意識して投げてきた。初回から飛ばしていくスタイルは今回も変わらない。指名打者制が採用されるため、投球に専念できることも追い風となる。「チームが勝てるのが一番。(三振は)どうこうないですけどね」。頼もしいエースの左腕が歴史的な記録に彩られた白星をたぐり寄せる。【池本泰尚】

 ▼能見は5月16日のDeNA戦、同24日のソフトバンク戦、同31日の日本ハム戦と3試合連続2桁奪三振を継続中。今日6日オリックス戦で4試合連続に伸ばせば、71年江夏のほか、94年紀藤(広島)95年ブロス(ヤクルト)と並びセ・リーグ最長となる。なおプロ野球記録は、91年野茂(近鉄)の6試合連続。