<阪神3-4オリックス>◇6日◇甲子園

 エースを打ち砕くからクリーンアップに座るのだ。阪神鳥谷敬内野手(32)が主軸の意地を見せつけた。1点リードの3回1死走者なし。金子の初球を狙いすまして打った。内寄りの甘いスライダーを一閃(いっせん)すると、白球は小雨を切り裂き右翼席に吸い込まれた。

 4日楽天戦(コボスタ宮城)から2試合連続本塁打となる4号ソロでリードを拡大。「甘く入った球を1発で仕留められました。いいスイングができました。いい投手なので、どんどんいこうと思った」。金子は5月31日巨人戦で9回を無安打投球。パ・リーグを代表する好投手に一撃を浴びせ、流れを引き寄せた。交流戦の好調を裏づけるように10年8月24、25日広島戦(京セラドーム大阪)以来、4年ぶりの2戦連発だ。

 器用さも光る。7回1死二塁。外角高めに逃げていくスライダーに両腕をグイと伸ばし、バットの先端でとらえた。左前に運ぶ、技ありの適時打で加点。勝っていれば殊勲の働きだったが、悔しい逆転負けを喫した。「終わってみれば負けてしまったので」と渋い表情だ。交流戦12打点となり、トップのソフトバンク李大浩に1打点差。首位打者に続いて「交流戦2冠」も見えてきた。【酒井俊作】

 ▼鳥谷が3回に金子から4号ソロ本塁打。10年8月24、25日の広島戦以来、4年ぶり自身14度目の2試合連発弾。最長は09年の3試合連続。