<日本ハム1-2巨人>◇11日◇札幌ドーム

 しばし腕組みして、うなった。日本ハム栗山英樹監督(53)は、苦悩を吐き出した。巨人に3連敗で、4連勝が止まった。計4戦とはいえ、今季の負け越しが確定した。「この1試合がすべてという思いで、やっているんだけれど」。

 脳内を完全燃焼させ、布陣を組んだ。陽岱鋼が故障離脱。代役の中堅に、未経験の西川を起用した。独断で決めた。「一番、点が取りやすいようにと考えた」。2回1死一塁からの亀井へ献上した右中間への先制三塁打。その勝負をかけた駒の不慣れさ、送球を乱したことが伏線になった。「現役時代、巨人に勝つために必死にやった」。手負いのメンバーでぶつかった。

 今季3度目の対戦も、また敗れ、昨季から5連敗を喫した。就任1年目の12年日本シリーズが、いつもよみがえる。2勝4敗で頂点を譲った。「一昨年のことは一生忘れない」。そんな執念は、また砕かれた。延長10回、守護神・増井が崩れた。定石通りの継投策で、手を尽くしたが無情だった。公式戦は今日が、巨人との今季ラストマッチ。栗山監督は「取りにいく」とトーンを上げた。裸一貫でもう1度、挑戦する。【高山通史】