巨人が、厚みの増した先発陣を絶妙なバランスで配する。リーグ戦再開は28日のヤクルト2連戦(秋田)からスタート。7月1日の広島戦(マツダ)から6連戦、8日からのDeNA戦(那覇)は2連戦と変則日程だが、「変幻自在」に先発ローテを組み、交流戦優勝の勢いを加速させる。

 ケガからの復活をかける男が、カギを握る。ともに2軍調整中で、左肩の炎症が癒えた内海、右肩痛が癒えた沢村の2人だ。

 内海は24日、2度目のシート打撃に登板し、62球を投げ、全快をアピール。29日のイースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)で実戦復帰することが決まった。満を持した形で戦列に復帰させるプランも立った。7月6日の中日戦からの昇格も可能だが、故障明けのコンディションに配慮。昨季4勝と相性が良く、万全を期して、中9日で9日のDeNA戦に先発する可能性が出てきた。「自分の球をしっかり投げられた」と話した。

 沢村も、準備が整った。イースタン・リーグ楽天戦(ジャイアンツ球場)に先発。降雨中止で4回途中1失点だったが、今季最速タイの151キロを計測した。テレビ中継でチェックした原監督は「悪くは見えなかった」と及第点。3日の広島戦、6日の中日戦で先発する可能性が浮上した。

 1軍は東京ドームで全体練習を行った。原辰徳監督(55)は交流戦の優勝インタビューで「チームはまだ70%」と話したが、この日、残りの30%について聞かれ「見えてこないんだ。謎めいていて。だから、楽しいんだ」と笑顔で言った。ミステリアスさが解明された時、独走態勢に入る。