<ロッテ3-4オリックス>◇28日◇QVCマリン

 昨日の友は今日のカモ!?

 オリックスは3番エステバン・ヘルマン内野手(36)が、元同僚のロッテ涌井から1本塁打、3打点と痛打した。リーグ戦再開から連勝発進で2位ソフトバンクに2・5ゲーム差をつけた。

 同点の3回1死二塁でヘルマンが涌井の内角高めに抜けたチェンジアップにクルリと体を回転させ左中間へ運んだ。「いい感触で完璧に捉えることができたね」と自画自賛の1発。初回の先制適時打は真ん中低めの難しいスライダーを中前にはじき返した。

 昨年まで2年間西武で一緒だった涌井を得意にしている。13打数5安打、1本塁打、5打点。チームは今季涌井に対して4戦4勝。すべて本人に黒星をプレゼントしているが、その中心になっているのがヘルマンだ。「試合以外では『頑張ってね』とか声を掛け合うが、いざ試合になれば勝負。涌井はいい投手。配球などをしっかり考えながら対処している。なんで打てるのかは分からないけどね」と笑う。

 6月に入って3番に固定された。今季1番では打率2割4分2厘も3番では3割3分8厘と打っている。T-岡田が「選球眼と出塁率はすごいですね」と話すように、チームのいいお手本にもなっている。連勝に森脇監督は「持っているものを存分に出せた。うちらしい試合だった」と納得の表情だ。ヘルマンは西武時代の過去2年も7月、8月は打撃絶好調。この夏もバットで首位オリックスを引っ張る。【石橋隆雄】