<DeNA3-6中日>◇23日◇横浜

 中日岩瀬仁紀投手(39)が前人未到の400セーブに王手だ。3点リードの9回から登板。安打と四球で走者2人を出したが無失点に抑え、今季17セーブで通算399セーブとした。チームは2連勝で5割復帰。25日からの首位巨人3連戦(ナゴヤドーム)に弾みをつけた。

 「バテました。思ったようにコントロールできなかった。ここ最近では一番悪いですね」と、27球を要した内容を反省しきりだった。だが「0で終われたのはよかった。切り替えてそういうようなことがないようにやりたい」と巨人相手での金字塔達成を誓った。

 大きな目標がある。「優勝して谷繁監督を胴上げしたい。僕が抱き上げるような形で」。胴上げ投手ならぬ“胴上げ捕手”の実現だ。優勝を決めた瞬間に、真っ先に捕手の谷繁監督に抱きつく。そして高々と持ち上げる。これまでの優勝は、マウンドに走ってくる谷繁に抱えられることが多かった。「普通そうでしょ。でも今回はその逆で」と、珍場面演出に気合十分だ。

 「抑えになる前から受けてもらっているし今の僕があるのは監督のおかげ。それぐらい大きい存在です」。02年にFA移籍した指揮官とセーブの大半を共同作業で積み上げた。優勝の瞬間、誰よりも早く、感謝を伝えたい。だから逆転優勝もあきらめてはいない。25日からの直接対決3連戦。「前回3連敗したので最低でも勝ち越したい」。G倒で偉業を達成し、奇跡への扉を開ける。【松井清員】