<西武2-1楽天>◇23日◇西武ドーム

 思いの強さが、スタミナ切れを招いた。楽天松井裕樹投手(18)は1-0の6回無死、ふがいない形でマウンドを中継ぎに託した。「疲れで全然でした。暑い中、守備についてくださった野手のリズムを作れなかった」と安打と四球2つで満塁。しかし後を受けたクルーズが3者連続三振に抑えると、真っ先に出迎えた。「本当に感謝です」と恐縮しきりだった。5回0/3を投げ、4安打無失点7奪三振。勝利投手の権利はつかんだが、9回にサヨナラ負けを喫した。

 同じ相手に、2度負けるわけにはいかないと気持ちが入った。4月23日、西武戦で8四球5失点し、初の2軍落ち。球宴中の19日に先発登板が決まると、「2軍に落ちるきっかけになった相手。もう絶対にやられたくなかった」と負けん気に火がついた。初回に自己最速タイの150キロを記録するなど、全力投球で抑えたが、テンポが悪く、2回までに47球を要した。

 球数の多さから、6回に息切れをしたが「今まで先発した中では一番良い投球」と6度目の先発で手応えをつかんだ。この日は大久保監督代行の最終戦。就任日に初勝利を果たし、「最初と最後で勝てたらすごい」と意気込んでいた。今後も先発ローテに入るのは濃厚。反省と課題を胸に、届けられなかった白星を星野政権で届ける。【島根純】