<オリックス5-2西武>◇29日◇ほっともっと神戸

 オリックスが、ウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)の1発で連敗を3で止めた。2点を追う7回にT-岡田外野手(26)の2点適時二塁打で同点とすると、ペーニャの22号2ランで決勝点を挙げた。左翼席最前列に飛び込みグラウンドに跳ね返った打球は、ビデオ判定で本塁打。連敗でイライラ、ビデオ判定でジリジリ…。そんなモヤモヤを、快勝が吹き飛ばしてくれた。

 ペーニャの1発が勝負を決めた。T-岡田の2点二塁打で同点に追い付いた7回、なお無死二塁。それまで打ちあぐんだ西武牧田から、助っ人大砲が左翼席に運んだ。本人は「詰まった当たりで、入るとは思わなかった」と言うが、打球は左翼席最前列に当たってグラウンドに跳ね返ってきた。いったんは二塁打の判定となったが、審判団が協議しビデオ判定に。約5分、二塁ベース上で待たされたが、最終判定は「本塁打」。12試合ぶり、後半戦は初アーチとなる22号2ランとなった。

 「本塁打より、牧田を打つきっかけを作ったT-岡田のヒットが大きかった」とペーニャは控えめに話したが、この一撃が、3連敗の悪い流れを断ち切った。

 丸太のような腕をした巨漢だが、心づかいも忘れない男だ。同僚とともに出場したオールスターで、第1戦終了後の夜、ペーニャが音頭を取り、居合わせた選手やスタッフ8人とともに東京都内の焼き肉店で食事会を行った。「メニーメニーヤキニクね」と好物をたんのう。でも、支払いは糸井が負担したという。

 森脇監督は「まさにタイムリーな当たりだった。あれが1点か2点かでは違う」と助っ人を絶賛した。前カード、福岡でソフトバンクに3連敗して首位陥落。この日負けていれば首位とは今季最大の2・5差まで広がるところだった。指揮官は「ワンチャンスをこじあけて攻め込んだ。あきらめない。強くその姿勢を見せた」と選手の頑張りをたたえた。さあ、再び奪首へ歩み始める。【高垣誠】