<ソフトバンク3-6西武>◇7日◇ヤフオクドーム

 西武エルネスト・メヒア内野手(28)がリーグ30号に一番乗りだ。1点を追う4回。ソフトバンク先発大隣の変化球に狙いを定めた。内角高めのボールゾーンへの1球を一振りで捉えた。打球は軽々と左翼席に消えた。本塁打王争いで初めて単独トップに立ち、「いつもチームの助けになればと思ってやっている。ホームランは一振りで点が入るからね」と満足そうにうなずいた。

 パ・リーグ史上初の“偉業”も視界に捉えた。5月15日の日本ハム戦で来日初打席初本塁打の鮮烈デビュー。シーズン途中から加わった助っ人は、84試合に出場し357打席で30発を量産した。残り22試合で89打席必要なシーズン規定打席到達には微妙な状況だが、規定打席不足で本塁打王となればリーグ初となる。

 西武の外国人では06年に31本塁打を放ったカブレラ以来の大台。球団も優良助っ人を来季以降も戦力として引き留める姿勢を固める。鈴木本部長は「これだけの成績を残しているわけだから、きちんと評価して話をしなければいけない」とシーズン終了後にも残留交渉に入ることを明言。年俸3570万円(推定)から大幅アップ提示の可能性を示唆した。

 来日1年目から実力を見せつけているメヒアは「毎日、1日1日を成功させることだけを考えている。シーズンが終わったときに結果的にキングになっていればいいね」。頼もしい助っ人は地に足を着けて目の前だけを見た。【為田聡史】

 ▼メヒアがリーグ単独トップの30号。西武の外国人選手でパ・リーグ30号一番乗りは01年カブレラ以来だ。現在、メヒアは規定打席に21打席不足。過去に規定打席未満で30本以上は83年田淵(西武=30本)87年ホーナー(ヤクルト=31本)88年ブライアント(近鉄=34本)89年デストラーデ(西武=32本)03年ペタジーニ(巨人=34本)12年バレンティン(ヤクルト=31本)の6人おり、バレンティンは本塁打王を獲得した。