<広島2-1中日>◇9日◇マツダスタジアム

 広島は首脳陣、ナインの総力をあげて、今季7度目のサヨナラ勝利をもぎ取った。同点の延長10回裏1死満塁、2番菊池涼介内野手(24)が中日福谷の外角153キロをミートした。中堅大島の頭上を楽々越える一打。自身初となるサヨナラ打の味を問われ、「甘いっす。最高です!」と笑顔。「(今年)サヨナラの場面で2回ぐらい決められていなかった。やっと決められた」と喜んだ。

 絶対に落とせない一戦。エース前田が8回無失点と快投しながら、1点リードを9回表に追いつかれていた。直前の10回裏1死二塁、野村監督が左打者を代打に送ろうとすると、新井打撃コーチが「こういう場面は小窪でしょう」と進言。結果は左前打と大成功だ。

 最後は菊池に対し、指揮官がジェスチャーで「(力まず)パンチショットで行け」と指令。菊池がコンパクトにサヨナラ打を決め、野村監督は「その通りの打撃をしてくれた」と納得顔だ。9連戦の初戦を取り、首位巨人との3ゲーム差を保った。【佐井陽介】

 ▼広島が今季7度目の延長サヨナラ勝ち。58、67、73年の6度を抜いて、球団記録を更新。今季は延長戦で11勝2敗2分け。96年の9勝(5敗)を超え、延長戦の球団年間勝利数を更新中。