ヤクルトの来季新監督として、真中満チーフ打撃コーチ(43)が最有力候補に挙がっていることが12日、分かった。2年連続最下位が現実味を帯びてきたことで、小川淳司監督(57)が任期満了に伴って今季限りで退任する運びになった。昨季は2軍監督として5年ぶりのイースタン・リーグ優勝に導き、今季はリーグ屈指の強力打線をつくりあげた真中コーチの手腕に、チーム再建を託す模様だ。

 ヤクルトの来季監督候補に、生え抜きの真中打撃コーチが浮上した。関係者によると、Aクラス入りが絶望的な現状を考慮し、小川監督の退任がこの日までに決定的となった。後任には外部招聘(しょうへい)も検討されていたが、現状を最も把握する真中コーチの名前が最上位に挙がった。衣笠球団社長兼オーナー代行は「なるかならないかは別だが、有力候補の1人ではある」と語った。

 来年はヤクルト本社が80周年。当初は、2度のクライマックスシリーズ進出を果たした小川監督に節目の年を託したいとの声もあった。だが、2年連続最下位で続投した監督は球界でも過去8人だけで、ヤクルトでは武上四郎氏(80~84年途中)のみ。この日は5位中日に1-3で敗れ、今日13日にも優勝が完全に消滅する。残り19試合で5ゲーム差と最下位脱出すら厳しい今、まずは、今季限りでやむを得ないとの判断に至ったようだ。

 内部昇格を中心に人選を進めていく中、最も有力な選択肢になっているのが真中コーチの昇格だ。日大から92年ドラフト3位で入団後、08年の現役引退までヤクルトひと筋で日本一も4度経験。09年からは2軍で打撃コーチと監督を歴任し、昨季はイースタン・リーグ優勝。今季は打撃コーチとして山田ら若手の育成に尽力した。1軍の監督経験はないが球団内でも評価は高く、チーム再建を託せると判断されている模様だ。

 来季の監督人事は詰めの段階に入っている。今後の堀オーナーとの話し合いで承認されれば、早ければ来週中にも正式決定となる。

 ◆真中満(まなか・みつる)1971年(昭46)1月6日、栃木県生まれ。宇都宮学園(現文星芸大付)3年の88年に春夏連続で甲子園出場(春は4強)。日大4年春は打率、打点の2冠。92年ドラフト3位ヤクルト入団。93~08年の現役通算16年で1368試合、3918打数1122安打(打率2割8分6厘)、54本塁打、335打点。98年にリーグ最多の8三塁打。99、01年はともに打率リーグ6位。01年日本シリーズ優秀選手。07年には代打でプロ野球記録のシーズン31安打。09、10年に2軍打撃コーチ。11~13年は2軍監督。13年はイースタン・リーグで5年ぶり優勝。今季から1軍チーフ打撃コーチ。170センチ、85キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸2100万円。