<日本ハム2-7オリックス>◇14日◇札幌ドーム

 日本ハムが精彩を欠き、背中を追う2位オリックス相手に痛恨の黒星を喫した。6回に3点ビハインドを1点差とし、なおも無死満塁から無得点に終わり同点、逆転の絶好機を逸したのが響いた。継投も裏目に出て再び8ゲーム差へと広がり、残りの直接対決2試合、今季は17試合。2位以上で実現するクライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催が、現実的に厳しい状況になってきた。

 サバサバしていた。完敗だった。栗山英樹監督(53)は、投打に力負けの未練を表情に出すことを避けた。要所で、信じて起用した選手が応えられずに敗れた。「あそこで一気にいかないといけない」。回想した象徴的なのは6回。1点差に肉薄して、なおも無死満塁から近藤、大引が連続三振。2死から代打の切り札、小谷野が中飛に倒れた。無得点。分岐点だった。

 ミラクル逆襲へ、望みをかけた大一番を落とした。勝てば6ゲーム差、負ければ8ゲーム差。2位オリックスに少しでも迫りたいと臨んでいた3連戦。初戦を大谷の完封で取り、勢いも、流れも十分にあった。先発浦野が6回に2被弾で3失点するまでは好投。打線が援護できなかった。栗山監督が「点を取ってあげたら、違う展開になっていた」と後悔する試合運びを、6回は変えられるチャンスがあった。

 継投にも、やや後手を踏んだ。わずか1点を追う8回に不安定なカーターを3番手で投入。劣勢でも信頼あるクロッタ、または宮西を選択し、逆転での必勝を期す選択肢もあった。指揮官は「そこは、まあ、まあ」と多くを語らず、雄弁に取材対応することが多い厚沢投手コーチも「特にないです」とするに、とどめた。今季残り17試合で、オリックス戦は2試合。CS圏内に残る可能性は高いが、ライバルの大失速がなければ、2位以上で権利を得る札幌ドーム開催は苦しくなってきた。かすかな希望の光を消さないために今日、再出発する。【高山通史】