<オリックス3-2ソフトバンク>◇18日◇京セラドーム大阪

 オリックスがスペシャル継投を決めて首位ソフトバンクに連勝した。先発松葉を4回1失点で降板させ、5回からは1人1回を必殺リレー。打線も難敵武田から3点を奪い、勝負のカードに勝ち越した。マジック点灯を阻止したばかりか、首位に2・5ゲーム差と詰めより、逆転Vへの可能性を残した。

 意外な光景だった。5回のソフトバンクの攻撃。マウンドには4回3安打1失点、わずか58球の先発松葉ではなく、マエストリが上がっていた。勝利投手の権利目前の交代劇。絶対に負けられないオリックスの執念が込められていた。

 森脇浩司監督(54)

 追いかける立場からすると、状況が状況なのでリスキーな試合になると踏んでいた。出番が早く回ってくるかもと、選手やコーチがいい準備をしてくれた。

 2回に2点を先取し、以前から指揮官が温めていたプランを実行に移した。松葉が中盤につかまるケースが目立つことも考慮したと思われる。リードした5回から勝負の継投策に打って出た。

 5回のマエストリに続き、岸田、馬原、佐藤達、そして平野佳という鉄板リレー。マエストリが2勝目をマークし、2点リードの9回に登板した平野佳は内川に1発を浴びながらしっかり1点差で逃げ切り、36セーブ目を挙げた。

 先発の松葉も、この試合の重要性は十分に理解していた。調子もよく、もちろん5回も行くつもりだった。だが高山投手コーチから交代を告げられる。「優勝するために、交代してもらう」と。松葉は「悔しい気持ちはあったが、個人よりチームの勝利が優先だし、それだけ厳しい戦いをしているので、切り替えて応援しようと思いました」と振り返った。

 高山コーチは「試合前にシミュレーションをして、絶対に負けられない試合なので(継投を)決めた。松葉をはじめみんなよく投げてくれた」と12球団一の防御率2・90を誇る投手陣をたたえた。

 3連戦の初戦に先発西を立てながら完敗した。連勝で盛りかえし、ソフトバンクとは2・5ゲーム差。ギリギリの勝負がまだ続く。森脇監督は言った。「崖っぷちとかいうけど、終わるまでは終わらないんだ」。息つく暇なく、今日19日からロッテとの3連戦に臨む。【高垣誠】

 ▼2位オリックスが首位ソフトバンクとの直接対決に2勝1敗と勝ち越し。今日19日からのロッテ戦に2勝か1勝1分け、ソフトバンクが西武に2連敗すると、オリックスに優勝マジック11が点灯する。ソフトバンクは今日19日の西武戦で勝つか引き分け、オリックスがロッテに敗れるとマジック7が出る。