<ロッテ8-4日本ハム>◇23日◇QVCマリン

 ロッテ石川歩投手(26)が9勝目を挙げ、新人王に大きな1歩を踏み出した。恒例となったお立ち台での決まり文句「絶景でーす」に新たな宣言が加わった。タイトルへの意気込みを聞かれると「取りまーす」と答え、大きな歓声を受けた。

 伊東監督も「10月1日、一番最後に予定している」と、西武との今季最終戦での先発舞台を用意する。同じく新人王を争う、現在26セーブを挙げるライバル高橋との直接対決でもある。

 内容には課題が残った。1回2死二塁、4番中田にカウント2-2からの外角高めスライダーを右前にはじき返され先制を許した。この回が終わると伊東監督から「追い込んでから甘い」と注意された。「早くアウトが欲しくて、力が入ってボールが高くなってしまった」と反省した。

 右手中指の爪を割って8月6日から2軍で調整を行った。復帰が同26日の日本ハム戦(東京ドーム)。5回6失点で6敗目を喫した。この時も中田に先制適時打を打たれ、大谷には2ランも浴びた。復帰後は4試合で1勝3敗と苦しんだ。

 同じ過ちは繰り返せない。きっかけはつかんだ。6回は先頭中田を2-2から外角低め直球で見逃し三振。大谷も2-2から内角高めをえぐって詰まらせ、投ゴロに抑えて3者凡退。借りは返した。「6回はよかった。新人王は取りたいけど、その前に自分の投球をすることです」と自戒を忘れない。

 伊東監督も期待が大きいから厳しい。「追い込んでから甘いのは口をすっぱくして言ってきた。でも勝ちがついてよかった。春先の投球ができれば大丈夫」と太鼓判を押す。切れのいい直球、シンカーを低めに決めて2ケタ勝利に乗せれば、新人王最右翼の座は揺るがない。【矢後洋一】