ドミニカ武者修行が5年ぶりに復活する。中日又吉克樹投手(23)が10月中旬に開幕するドミニカ共和国のウインターリーグに参加することが4日、分かった。

 中日は落合監督時代の06年から09年まで同国のウインターリーグに若手選手を派遣。山井、吉見、浅尾ら投手が成長を遂げてきた。12球団屈指と言われた「投手王国」再建のため、竜戦士が再び海を渡る。

 ドラフト2位で入団した又吉は、新人では61年権藤博の69試合に次ぐ67試合に登板するなど、9勝1敗、33ホールドポイント、防御率2・21でフル回転した。オフ期間中の派遣とあってルーキーの疲労を心配する声も挙がったが、本人もドミニカ共和国行きを熱望。首脳陣と話し合いを重ね、さらなるレベルアップを目指すことが決まった。

 球団もバックアップ態勢を整える。すでに通訳とトレーナーを同行させることは決定済み。過去にも若手4~6選手を同国のウインターリーグに送り込む際、トレーナーを派遣していたが、1選手に2人のスタッフをつけるのは異例。新人右腕を心身両面で支える。

 所属する球団は首都サントドミンゴを本拠地にする強豪リセイだ。同リーグには外国人枠も存在し、又吉は“助っ人”という立場で加わる。メジャー選手も多く参加しており、修行の身であっても求められるレベルは高い。戦力としてアピールできなければマウンドにすら立てない。竜の誇る変則サイドハンドが、野球世界一の国で激しい生存競争に挑む。