丸はもっと走れる!

 広島緒方孝市新監督(45)が21日、主軸打者となった丸佳浩外野手(25)にさらなる進化を要求した。マツダスタジアムでの秋季練習2日目も下半身を鍛える走塁練習を中心に行った指揮官は「丸に来季はもっと走らせたい」と、自身の掲げる機動力野球の中心にしたい考えを明かした。

 「もっと機動力を使えるはず」。そう言う緒方監督の思いは自身が現役時代につけた背番号「9」の後継者・丸に向けられた。ポール間ダッシュなど下半身を鍛えるメニューを中心に行った秋季練習後、思いを明かした。

 「丸はもっと走れると思う。今季は3番でエルドレッドの前だったり、もちろんサインであったりと、状況はあったけれど丸の走力をすればもっと走れるはずだし、走らせたい」

 昨シーズン、29盗塁で自身初の盗塁王に輝いた丸だが今季は26盗塁止まり。もちろん盗塁だけではないが、掲げる機動力野球、走って戦う緒方野球には、丸の走力は欠かせない。

 「もちろん菊池もいるけれど内野手だし、外野手と比べれば足の疲労度は違ってくる。その意味でも丸にはもっと意欲的にいってほしい。これからコーチらと話し合って決めることだけれけど、基本はフリーでいかせたい」

 「キクマルコンビ」で中心打者となった菊池、丸の2人はともに俊足だが、特に外野を守る丸については来季、出塁すれば、ガンガン走らせたい考えだ。

 「監督がそう言うのなら当然、そうしたい。警戒されている中で走るのは厳しい面もあるけれど、相手投手のクセを把握し、準備していけば今年以上は走れると思います。課題としてはスタートの精度を上げたい。それだけではないけれど、自分の中ではスタートが悪いと全部悪い。まだまだ完全とは思っていないので磨いていきたい」

 指揮官の言葉を伝え聞いた丸も、それに応える意思を明らかにした。伝統的に機動力で知られる広島だが今季のチーム盗塁数は「96」。102盗塁でリーグで唯一、3ケタを超えた巨人にまずは足で勝つ。就任1年目ながら悲願の24年ぶり優勝を目指す来季、丸の奮起が必要だ。【編集委員・高原寿夫】