日本ハム大谷翔平投手(20)が、異例の“バラエティーデビュー”を果たす。沖縄・国頭での秋季キャンプ中の4日、テレビ朝日系の人気番組「アメトーーク!」の制作スタッフの訪問を受けた。「○○芸人」と題して、旬の話題をテーマにトークが繰り広げられるバラエティーで、「大谷翔平芸人」として取り上げられる。球界の枠を飛び越えて注目を浴びる。

 ブルペン投球を行う大谷へ、熱視線を送る一団があった。首脳陣?

 スカウト?

 いや、キャンプ中の球場では、きわめて異質な集団。中心に立つ長髪のイケメン…、どこかで見た記憶が…。テレビ朝日で「アメトーーク!」や「ロンドンハーツ」を手がける、プロデューサー加地氏だった。「まだ収録前でもありますので、詳しくは言えないです」と内容は伏せたが、「アメトーーク!」で近日、「大谷翔平芸人」が放送されることは認めた。

 投打「二刀流」に挑むパイオニアだからこそ、実現した企画だと言っていい。同番組は1つのテーマに沿ってトークが繰り広げられるバラエティー番組。これまで「広島カープ芸人」、「WBC応援芸人」など、野球が取り上げられたことはある。いずれもチーム全体にスポットを当てたものであり、選手個人としては球界初。スポーツ界に広げても、プロレスの「越中詩郎大好き芸人」など、数えるほどしか例がない。

 2年目の今季は、ベーブ・ルース以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」を達成。10日からは日本代表・侍ジャパンの最年少メンバーとして日米野球に出場するなど、球界でも唯一無二の存在として成長を続けている。世間の注目度も高く、スポーツ界という枠を超えて、評価された証しだ。

 深夜帯の放送にもかかわらず高視聴率をたたき出す人気番組で、12年6月に放送された「広島カープ芸人」は話題を呼び、「カープ女子」増加の一翼を担った。大谷本人も「けっこう見ます」という大好きな番組でもあり、「どういうふうになるのか見てみたいです」と、放送を心待ちにした。シーズンオフに入っても、大谷の勢いはとどまるところを知らない。【本間翼】

 ◆「アメトーーク!」

 雨上がり決死隊が司会のトーク番組。03年4月からレギュラー化された。「○○芸人」とテーマをくくってトークを展開。深夜帯ながら視聴率は10%を超え、12年6月21日に放送された「広島カープ芸人」は首都圏で13・0%(ビデオリサーチ調べ)を記録した。DVDも発売されている。