日の丸を背負っても二刀流は継続する。侍ジャパン大谷翔平投手(20=日本ハム)が10日、首脳陣から打撃練習の許可を得た。日本代表には投手として参加中。野手での出場は予定されていない。打撃への欲は抑えてきたが、試合前に朗報が舞い込んだ。今季まで同僚だった稲葉打撃コーチから「(打撃練習を)やりたければ言ってくれ」と伝えられた。希望すればティー打撃を練習に組み込んでもらうことが可能になった。

 うれしい心遣いだった。バットは持ち込んでおり「(宿舎の)部屋で振っています」と素振りだけは続けてきた。シーズン中は日々の流れを把握。限りある時間を投手、野手と効率よく振り分けて練習してきた。今回は先輩ばかりのチームで、始動して日も浅い。そんな状況も考慮してくれた代表首脳陣が、救いの手を差し伸べてくれた。

 前日9日のミーティングではMLBオールスターの映像を見た。右打者の今季16発を放ったプイグ(ドジャース)にくぎ付けとなった。「球種とかカウント別で(打ち方を)変えてきている」と、直接見て勉強する。侍ジャパンでは投手に軸を置きながら野手・大谷もレベルアップを図る。【木下大輔】