阪神が18日、アスレチックスからFAとなった中島裕之内野手(32)獲得に関する会議を行い、今週中に新たな条件を再提示することが分かった。中島の代理人であるスコット・ボラス氏との交渉の中で国内他球団が好条件を出していることが判明。阪神はすでに水面下で最大4年10億円超の大型契約を提示していたが、事実上の“最終提示”として条件の見直し、上積みが決定的となった。

 中島争奪戦は水面下でどんどんヒートアップしていた。球団幹部によれば、前日までのボラス氏側との交渉で他球団が好条件を提示していることが判明した。

 「マネーゲームはしたくない。ただ、現状の補強は(中島獲得が)最優先なので、どこまでできるか議論する必要がある」

 それを受け、この日、西宮市内の球団事務所に高野球団本部長、中村GMらが集まって、条件見直しについて議論したという。球団はすでに最大で4年10億円超とみられる大型契約を提示していた。ただ、今オフの最優先ターゲットの争奪戦から早々と脱落するわけにはいかない。結果、条件の再検討、見直しを行う方針となった。古巣・西武、など国内複数球団が獲得に乗り出している中で、一発提示が球団の方針だったがライバル球団の動向、そして中島側の要求を総合的に考えて、再提示やむなしと判断した模様だ。

 「こちらも、ぎりぎりのところまでいこうとなった。これが最後というつもりで(再提示を)出したい」

 球団幹部によれば、事実上の“最終提示”という認識で今週中に再提示を行うという。今オフの補強は、国内FA組で注視していた中日山井、日本ハム宮西が宣言せず。ロッテからFA宣言した成瀬は撤退。オリックスから国内FA権を行使した金子については相手の出方を見守っている状況。それだけにぎりぎりのラインまで中島獲得に資金をつぎ込むとみられる。

 関係者の見通しでは12月初めにも決着する可能性があるという。すでに、その時へ向けて担当者を渡米させる準備も進めている。それだけに今回再提示する条件は重要で、コーチ手形などに加え、金銭面での上積みもあった模様だ。猛虎が中島争奪戦、最初の正念場を迎えた。