掛布さん、ゴチになります!

 巨人阿部慎之助捕手(35)が24日、福井市内で野球教室を開催。理論的かつ熱意ある指導は尊敬する野球人と似ていた。父東司さん(59)と習志野高の同級生で甲子園に出場した阪神掛布雅之DC(59)だ。

 少年時代に「チョーあこがれた」と同じ左打ちにした。プロ入り後も掛布DCの足跡を追いかけた。「生涯成績で何か1つでも抜きたいと思ってやってきた」。通算安打、通算打点は今年、ついに超えた。346本塁打で先輩の349本に迫っている。「去年、甲子園で会った時に『あとホームランは何本だ?

 抜いたらメシをおごるよ』と言ってもらった。それが楽しみ」。ゴチバトルの決着の時は近い。

 日米野球ではゲスト解説で同席する機会に恵まれ、野球談議にも花を咲かせた。その日米野球では打撃のヒントを見つけた。ロッカー室を訪れ、メジャーリーガーの肉体を見て「モーノーとかそう見えないのにすごかった。力あるやつに力で対抗してはダメ」と再確認。プイグの力感のない上半身の構えは参考にした。「静観して、そこから打ちにいくイメージ」。さらに秋季キャンプで復帰した内田2軍打撃コーチと話し、以前の右足始動でのタイミングの取り方を加えた。

 「昨日(23日)のファン感謝デーでのホームラン競争で新打法をやったら感触が良かった」。くしくも来年は開幕3カード目で阪神戦(4月3~5日)を控える。快調にいけば伝統の一戦で掛布超えを果たし、ごちそうにありつける。【広重竜太郎】