今季初のベストナインに輝いたヤクルト雄平外野手(30)が9日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い保留した。チームの過去5年では09年川本(ロッテへ移籍)、12年フェルナンデスしかおらず珍しい保留劇となった。

 1250万円から約5倍の6000万円前後が提示された模様だが「よくやってくれたと言われたのでうれしかったけど、ちょっと開きがあった。今回は納得したかったので一から考えます」と仕切り直しを強調した。投手から転向して5年目だが、1軍で野手として通年働いたのは初めて。査定のイメージが湧かず、契約しているマネジメント会社に独自査定を頼んでいた。その評価との開きがあったためだ。

 3割1分6厘、23本塁打、90打点と数字は申し分ない。1勝以上挙げた選手でシーズン20本塁打以上を記録したのは打撃の神様、故川上哲治氏ら5人目という快挙も達成した。新(あたらし)専務は「その年だけじゃないので。積み重ねでいえば昨年は何もない。精いっぱいのものは出しているし、彼もうちの査定は分かってくれている思う」と話す。席上では積み上げがあったようだが、さらなる上積みは予定しておらず、次回交渉が注目される。【矢後洋一】