巨人杉内俊哉投手(34)が過去3年の自分に別れを告げる。22日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い、4年契約の最終年となる来季へ現状維持の5億円(推定)でサインした。移籍後、3年連続2ケタ勝利を挙げているが「もっと何勝もできた。勝ち星も減ってきている」と厳しく自己評価。節目の4年目は14勝以上で通算150勝達成、200投球回クリアとハードルを高く設定した。

 交渉の席上、契約はほとんど話題に上がらなかった。杉内は今季を振り返り、来季への誓いを球団幹部の前で立てた。「14勝すれば150勝。来年までに達成します」と正面から宣言した。

 11年オフに4年総額20億円の大型契約で名門球団の門をたたいた。12勝、11勝、10勝。巨人の移籍組では3年連続2ケタ勝利は別所毅彦の9年連続に続き、2番目に長い。金田正一も工藤公康も継続できなかった記録だが、杉内に満足感は一切ない。「今年はイニング数(159回1/3)も少ないし、10勝で終わった。ローテを守ったのも最低限。(過去3年で)もっと何勝もできた。12、11、10と勝ち星も減っている。14、15勝という数字で終われれば」と、こだわりを見せた。

 勝ち星とともにイニング数も追求する。今季は平均6イニングしか投げ抜くことができなかった。「200イニングは1回も達成したことがない。そこを目指したい。打者に対して圧倒できる投球が必要。奪三振数が減ってきているが、三振が増えれば球数が減る。そうすれば長い回を投げられる」と根本に立ち返る。幅を広げるため今季はフォークも試したが習得には至らなかった。オフの間に新球に挑むのかを「表裏一体の部分はある。何かを得れば何かを失う。よく考えたい」と見つめ直すつもりだ。

 移籍4年目も柱であり続ける。原監督は「阿部、村田、杉内、内海に頼らないチームを作る」とチーム解体、そしてスローガンでもある「新成」を掲げている。杉内は言葉の枠にはまるつもりはない。「絶対的な部分は必要。その1人に入りたい。キャンプからアピールしていきたい」。過去3年の姿を振り返らず、節目となる契約最終年の4年目へ新しい像を求めていく。【広重竜太郎】