阪神が来オフのドラフト上位候補として、県岐阜商の高橋純平投手(2年)をリストアップしていることが22日、分かった。高橋は今秋の東海大会準決勝のいなべ総合(三重)戦など数試合で最速152キロをマークした183センチの本格派右腕。同大会ではチームを準優勝に導き、来春のセンバツ出場を濃厚にさせるなど、ドラフトの目玉候補になる可能性も秘めた逸材だ。

 阪神も密着マークする方針。1月7日に同校で行われる「練習始め」も担当スカウトが視察する方向だ。球団関係者は「年明けから継続的に見に行く。来年の目玉なので、他球団も集まると思う」と話す。ドラフト1位候補にもなり得る人材だからこその新年早々の高橋詣で。寒風の岐阜に通って、熱視線を送る構えだ。

 高橋は中学時代に140キロ台をマークし、高校では1年秋からエースを務めている。威力ある真っすぐに加え、カーブ、スライダー、スプリットと変化球も多彩。3試合連続完投勝ちした秋の東海大会では4試合33イニングで自責1の防御率0・27に抑え、三振も投球回を上回る35を奪った。現チームでは主将も任され、阪神は物おじしない強気な性格も評価している。

 球団関係者は「150キロを超える真っすぐだけでなく、変化球で空振りが取れる。これからの成長が楽しみ」と将来性も認める。年明けの始動後は、来春センバツまでの実戦も積極的に視察する。近年は松井裕樹(現楽天)や今秋ドラフトで楽天入りした安楽智大ら、高校生の大型投手の指名を見送ってきた。美濃の剛腕の動向に注目が集まる。

 ◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜市生まれ。小学2年時、梅林スポーツ少年団で野球を始める。梅林中では揖斐パワーボーイズに所属し、岐阜県選抜に選ばれた3年秋の大会で142キロをマーク。県岐阜商では1年春からベンチ入り。救援で春の東海大会優勝に貢献。夏は左足甲の骨折で登板できずも、2年春は県決勝で自ら逆転3ランを放ち優勝。夏は4強。今秋の東海大会準Vに貢献。右投げ右打ち。183センチ、76キロ。

 ◆来年の主なドラフト上位候補

 大学生では明大の151キロ左腕・上原健太投手(3年=広陵)が挙がり、地元広島もリストアップ中だ。駒大のエース今永昇太投手(3年=北筑)も最速148キロを誇る左腕で、いずれも注目度が高い。また、高校生では大阪桐蔭の今夏の甲子園優勝メンバーで、新チームの4番青柳昂樹外野手(2年)らも候補に挙がる。