ソフトバンク松田宣浩内野手(31)が新設される「ホームランテラス」の無視を決め込んだ。球場の改修で、高さ5・8メートルの外野フェンス手前に低いフェンスが誕生する。打者泣かせの通称「グリーンモンスター」を越えなくても本塁打になる。打撃練習では、この追い風に甘んじる気はなかった。

 「高いフェンスを越すのが良き伝統だった。それで打者は育てられてきた。練習ではあのフェンスを越すつもりでやる」

 打撃練習からホームランテラス着弾を想定していれば、「スイングがこぢんまりしてしまう」という。豪快に振り抜く本来のスタイルが崩れるのは困る。だから練習では、視界から消すことになる。

 29日には滋賀県長浜市の長浜ドームで、同県出身のプロ野球選手による「夢をつかめ!

 滋賀オールスター少年野球教室」を開いた。昨年は楽天則本の日本一報告を悔しがり、打倒を誓った。宣言通り則本に対し14打数5安打、打率3割5分7厘。日本一の選手会長として故郷に戻ってきた。

 「(則本とは)日米野球でも一緒にプレーしたし、完全試合の時も守った。年々、力をつけている。ナンバーワンの投手だし、意識して対戦したい」と来年の同県対決では返り討ちにする決意だ。各球団のエース攻略は、日本一連覇への近道。豪快スイングの松田が来季も故郷に最高の報告をする。【田口真一郎】