阪神坂井信也オーナー(66=電鉄本社会長)が29日、来年の漢字1字を「無」と定めた。大阪市内の電鉄本社で仕事納めを行ったこの日、09年から続く恒例行事に「無です。原点に返るというか初心に帰るというか。無色から黄色に染めてもらいたい」。10年ぶり優勝へ再出発の思いを込めた1字と明かした。
今季は首位巨人に7差をつけられた2位だったが、CSで広島と巨人に1分け挟み5連勝。9年ぶり日本シリーズに進出。ソフトバンクの前に日本シリーズ制覇は逃したが、一番忘れてはいけないのがリーグ制覇を逃した悔しさだ。モヤモヤを抱いたまま年を越す選手に示した道しるべが「無」だった。
「日本シリーズには出たけどまた(心を)新たに。私もオーナーになった時(08年)の初心に戻らないといけない。一から出直しは一から出直し。どこに戻るかはそれぞれあると思う」
チャレンジャー精神で必勝を期す。【松井清員】<坂井オーナー過去の「1字」>
◆09年「新」=真弓新監督を迎え、改装した甲子園球場で新猛虎時代に期待して。
◆10年「虎」=戦いで本物のトラになれ!
えとの寅(とら)年にちなんで。
◆11年「果」=今年こそ優勝果たせ!
結果残せ!
◆12年「達」=リーグV達成、個人目的達成。えとの辰(たつ)年とかけた。
◆13年「起」=目を覚ます、奮い立つ、起死回生。起のつくりの部分の「己」が、えとの「巳」(み)年から派生した説にかけて。
◆14年「驚」=鳥谷の名前の「敬」の下にえとの「馬」。馬に乗ったような勢いでチームを引っ張ってほしい。ファンを驚かす変身をしてほしい意を込めて。