打倒・災難で飛躍を狙う。日本ハム渡辺諒内野手(19)が来季レギュラー取りへ、厄払いプランを秘めていた。プロ1年目の今季は4月に右踵腓靱帯(しょうひじんたい)断裂、9月に鼻骨骨折とケガに泣いた。オフはへんとう炎と一年中、不調に悩まされてきた。「こんなの続いていたらクビになる」と危機感はピークに達していた。年末年始の里帰りを利用して、地元の鹿島神社などで厄払いを敢行するつもりだ。

 日本の風習では男性の1度目の本厄は25歳とされているが、厄年以外に行う場合も多いとされている。厄払い経験のある巨人菅野や楽天則本は、躍進のきっかけになったとされる。来季はFA移籍した小谷野、大引の穴を埋める内野のレギュラーの筆頭候補。本職の遊撃手や三塁手などで、活躍が期待されている。チャンスの予感に「(災難は)今年で良かった」と厄払いに踏み切る決意を固めた。

 荒行挑戦も考えている。今年1月にパ・リーグを代表する遊撃手、ソフトバンク今宮が寒行に参加。あこがれの存在が、ふんどし一丁で極寒の川に飛び込んでいた姿に、妙な対抗心を抱いていた。「厄払いがダメだったら滝行もしますよ」。苦悩の1年と決別し、1軍の舞台でツイている姿を証明する。【田中彩友美】