あるぞ、新人み~んな全員1軍キャンプ!

 中日の合同自主トレが15日、ナゴヤ球場で始まり、森繁和ヘッドコーチ(60)ら首脳陣もチェックした。今年のルーキー(支配下)は、大学・社会人出身ばかりの9人。森ヘッドは谷繁兼任監督が新戦力を早い段階で見極めたい意向を持っていることを明かした。9人全員が北谷スタートとなれば超レアケースだ。

 初日から冷たい雨が降り注いだ。だが室内練習場は報道陣やスカウト、コーチ陣がひしめき、熱気がこもった。その中でひときわ鋭い視線を注ぐ存在が、森ヘッドだった。初めて新人の動きを生で追った。視察後、ある方針を明かした。

 「大学、社会人は即戦力でとったわけだから1軍で見る機会は多くなる。新人は先に見てみたいという監督の希望もある。練習試合も早い段階であるから、若い選手を先に使っていく意向は、聞いている」

 新人9人は1位野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)、2位浜田智博投手(22=九産大)を筆頭に、社会人・独立リーグが6人、大学生が3人。現段階で故障持ちや調整遅れはいない。新戦力チェックの目的で、新人全員1軍スタートという大胆な手法をとってもおかしくない。仮に9人全員となれば、球界でも珍しいケースになる。

 野村は「最初から1軍でやるつもりでと思っている。ドラフト1位で入ったからには負けたくない」と自覚十分に語った。2月1日に1軍投手は全員ブルペン入りが義務付けられる。野村は今週中にもブルペン入りし、2月1日に備える。浜田智も同様にキャンプ初日から捕手を座らせて投げるため調整していく。左腕は野村に対し「しっかりライバル意識を持って練習する」と宣言した。

 17日に名古屋市内で落合GM、谷繁兼任監督、全コーチが寄り合ってスタッフ会議を開き、おおまかな振り分けを行う。その後、自主トレチェックを経て最終的に決まる。北谷行きが決まっても、無数のふるいをかいくぐらなければ開幕1軍には残れない。まずは体力、そして実戦段階ではプロレベルの技量。壮絶なサバイバルはもう始まっている。【柏原誠】