球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが23日、都内の野球殿堂博物館で発表された。特別表彰では元全日本リトル野球協会会長の林和男氏(享年85)、朝日新聞社創業者の村山龍平氏(享年83)が選ばれた。

 故村山龍平氏は、全国中等学校優勝野球大会(現在の全国高等学校野球選手権大会)の創設に尽力した功績が認められ、特別表彰による殿堂入りとして選出された。1879年(明12)に設立した朝日新聞社社長在任中の1915年(大4)に同大会を開催。8月18日から6日間、大阪・豊中市の豊中グラウンドで行われ、大会初日には羽織、はかま姿で始球式を務めた。

 今夏は夏の甲子園大会が始まって100周年に当たる。記念すべき年の殿堂入りに、記者発表に出席した朝日新聞社の飯田真也代表取締役会長は「節目の年に創設者が表彰されたことに関係者として喜びもひとしおです」とあいさつ。全日本野球協会の内藤雅之専務理事は「(村山氏の功績は)100年後の今日までつながっている。この後、50年、100年と野球が日本の最高のスポーツであることを願いたい」と話した。

 ◆村山龍平(むらやま・りょうへい)1850年(嘉永3)4月3日、三重県生まれ。1879年(明12)1月に大阪で朝日新聞社を設立し、創刊第1号を発刊。1933年(昭8)11月24日、83歳で死去。

 ◆特別表彰

 アマの競技者を対象に選手は引退後5年、監督、コーチは引退後6カ月を経過している者を有資格者とする。またプロ、アマの審判員で引退後6カ月を経過している者、プロ、アマの組織、管理に関わり、野球の発展に貢献をした者、しつつある者、日本の野球の普及及び発展に顕著な貢献をした者、しつつある者にも資格がある。プロ、アマの役員・元役員、学識経験者14人で構成する委員が3人以内の連記で投票。3分の2の有効投票で、75%以上を殿堂入りとする。