復活を目指す中日吉見一起投手(30)が「一匹おおかみ」になる。24日、沖縄自主トレを終えてナゴヤ球場で行われている合同自主トレに参加。志願して臨む2年ぶりの1軍キャンプでは「群れず」、「流されず」のテーマを掲げた。また、脂ものを極力減らす体質改善に取り組んでいることも明かした。

 普段は面倒見のいい吉見がなんと“エゴイスト”に生まれ変わる。大野、岩田らを引き連れて行った恒例の沖縄自主トレが終了。ここまで「リーダー」としてチームを率いてきたアニキ吉見が、2月のキャンプからは別人になる。

 吉見

 今までは周りを気にしていたけど、(キャンプでは)優先順位は自分。一匹おおかみというか自分のためにやりたい。支えてもらっている人もいるけど、まずは自分のために。もう、ひと花咲かせたい。

 独自路線を貫く考えだ。中日では投手陣の2・1ブルペン入りが暗黙のルール。ところが「入らないでいいとなれば遠投をすると思います」との考えを明かした。鳥取、沖縄と自主トレを続け、すでにブルペン入りできる状態ではある。もちろん、首脳陣と相談して決めるが、周囲のペースに調整を狂わせたくないのだ。

 ストイックな姿勢は食生活にもあらわれている。「脂もの」など消化に時間を要する食材を極力避けている。消化時間が長くなると体への負担も大きいという考えからだ。同行したトレーナー中里賢一氏(42)や尊敬するオリックス金子の助言もあり、今後も実践するつもりだ。

 吉見

 結局は野球をしていない時間の方が長い。その過ごし方で変わってくる。その過ごし方で一流になるか、超一流になるか変わる。

 すでにスイッチはONだ。08年から5年連続2桁勝利も、ここ2年間はわずか1勝。背水で臨む今季は練習から食生活まですべてを見直す。2月の沖縄もこれまでとはひと味違う1カ月になりそう。ひとりぼっちになってもいい。崖っぷちの男は孤高の道を歩く。【桝井聡】