初の開幕投手に最有力の日本ハム大谷翔平投手(20)の今季初実戦登板が2月9日紅白戦(名護)で予定されていることが25日、分かった。3月27日の開幕戦から逆算し、打者の調整にも支障が出ない「中6日以上」の登板間隔で進める。沖縄・名護での先乗り合同自主トレで初のブルペン入り、捕手を立たせて32球を投げた。

 気合みなぎる表情で、大谷が右腕を振った。1軍キャンプ地の名護での先乗り合同自主トレ2日目で初のブルペン入り。捕手を立たせたまま、変化球も交えた。右手親指で薬指をひっかき、少量の流血もあったが「大丈夫です」。予定通り、32球で打ち止めた。「キャンプインにピークを持っていく必要はないので。開幕までに合わせればいいのかなと思います」。直後のフリー打撃では43スイングで5本の柵越え。すべては、3月27日の開幕、楽天戦(札幌ドーム)を見据えての調整だ。

 初の大役へ向けた道筋が見えてきた。今季初の実戦登板が2月9日の紅白戦に内定。昨季公式戦では中6日が12試合、中7日が5試合で、初登板をのぞく23試合のうちの大半を占めた。先発の基本線となる中6日の登板間隔では開幕日へズレが生じるため、中7日まで幅を広げそう。同時に中7日の間隔を増やすことで野手調整の時間を増やすことも可能となり、投打のパフォーマンスを開幕までに最大限に引き上げる。今季も基本線となるであろう登板間隔を実戦日程に当てはめて、予定を組んでいくことになりそうだ。

 昨春キャンプは3試合連続で実戦が雨天中止となった。2月9日を起点としての中6、7日間隔は、登板が予想されるどの試合の直近にも実戦が控える。想定外の事態があっても、コンディションも見ながら微調整もできそうな、開幕から逆算した調整プランだ。

 栗山監督は、春季キャンプ中に開幕投手を決める方針を掲げている。かねて「普通に考えたら大谷翔平。キャンプの頭1週間くらいで方向性を出せたら」と話したように大役の大本命。昨年はキャンプでの実戦初登板から中6日で4試合に登板も、軽度の右肘痛を発症。大事に至らなかったが、開幕直前で登板機会を1回飛ばした。昨年同時期は本格投球を解禁していたが、ここまでは立ち投げのみ。慎重に、投打にアクシデントなく開幕へ突き進んでいく。【木下大輔】

 ◆昨季の投手大谷

 開幕前は紅白戦、練習試合、オープン戦合わせて6試合に登板。春季キャンプの2月8日紅白戦で実戦初登板し、15日DeNA戦、22日ロッテ戦、3月1日広島戦、8日阪神戦まで中6日でマウンドに上がった。開幕前最後の登板にもなった3月22日巨人戦は中13日。公式戦では開幕カードは野手で出場し、2カード目の4月3日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で先発。シーズンでは24試合に登板し、中6日12試合、中7日5試合、中8日以上7試合(初登板含む)。

 ◆日本ハムの開幕投手争い

 大本命は昨季11勝を挙げてチーム勝ち頭となった大谷。開幕戦の相手となる楽天との相性も良く、昨季は6試合に先発して2勝1敗、防御率2・15。昨年7月9日の対戦では自己最多の1試合16三振を奪っている。対抗は来日1年目に7勝止まりも、先発陣の軸として安定した投球を続けたメンドーサ。昨季開幕投手を務めた吉川や、4年目を迎える上沢も大役を狙うと公言している。