強い決意だ。緒方孝市監督(46)を先頭に広島ナインが1月31日、キャンプ地宮崎・日南に入った。全体ミーティングでエース前田に開幕投手の内示を出すと、優勝への熱い思いをあらためて口にした。激しい競争の見極めとモチベーション維持のため、全選手をその目でチェックする。いざ、24年ぶりのリーグ制覇へ出陣する。

 迷いはない。すべての言動、行動は優勝に向いていた。緒方監督は午後3時過ぎに宿舎に入ると、すぐにミーティングに臨んだ。年が明けてから初めて顔を合わせる選手もいる。シーズンへの準備を進めるキャンプに向けてあらためて発したのは、優勝への強い思いだった。

 「明日から始まるな。チームとしての目標は優勝。そこに向けて頑張っていこう」

 就任後、出席したすべてのイベントで「優勝」と口にしてきた。ぶれるはずがない。それは選手を前にしても同じだった。さらに続ける。エース前田に「そのつもりでやってくれ。黒田が帰ってくるが、うちのエースはお前だ」と話したという。異例の開幕投手の公開告示だった。報道陣には「何があるか分からんから、断言はできない」としたが、粋な計らいに違いはなかった。

 キャンプでは全選手を戦力ととらえ、その目で直々にチェックする。7日から日南に入る2軍キャンプにも頻繁に足を運ぶ構えだ。監督が視察することにより、2軍選手のモチベーションにもつながることは重々、理解している。秋季キャンプに参加しなかったメンバーもおり、ブルペンは重点的にチェックする。

 「(2軍球場のある)東光寺にも行くし、モチベーションが下がらないようにしたい。報告を聞くだけじゃなくて、自分のなかで見たいと思う」

 日々のメニューでは全体練習の時間を減らし、個人練習に重点を置く。「それが一番身になるから。全体練習はチームとしての確認と意識付け」。2次キャンプの沖縄に向けメンバーを絞る作業になるが、ベクトルはずらさない。チーム一丸のその先には24年ぶり、悲願の優勝が待っている。指揮官は動き回って、チームを率いていく。【池本泰尚】