日本ハムのドラフト5位瀬川隼郎投手(28=室蘭シャークス)が、プロの空気にのまれながら及第点を出した。15日に沖縄・国頭での紅白戦で実戦初登板。5回、道産子左腕の登場に球場が大きく沸く中、ややこわばった表情でマウンドに上がった。「結果を出すことだけ考えた」と自信のある直球とスライダーのみで、1四球を出しながら1回を無安打無失点。上々のプロデビューを飾った。

 「緊張している部分はあった」。社会人時代から場数を踏んできた自信はあったが、初めて眺めた景色に動揺があった。1軍未経験の森本に四球。気持ちを落ち着かせ、安打は許さず「本当は、もっと試せたら良かった」と振り返った。栗山監督は「疲れがピークの状況だと思う」とかばい「特徴が垣間見えた部分があった」と魅力を見いだしていた。

 この日は妻泰葉さん(31)と長男壮介くん(1)が北海道から応援に訪れていた。「嫁は野球に関しては何も言わないので」と、試合前にたわいのない会話でリラックス。親ばかっぷりを隠さず「頭が良い」とほめる壮介くんは、新聞やテレビに瀬川が登場すると、触れて反応するという。「良いところを見せたいというのはあった」。家族の声援を力に踏ん張った。

 次回は18日の2軍での韓国SK戦(国頭)に登板予定。「良い状態で、まだまだ納得出来るボールは少ない」。気を引き締め、課題の芽を少しずつつぶしていく。【田中彩友美】