<東京6大学野球:法大11-4東大>◇第2週3日目◇18日◇神宮

 法大が11安打を放ち東大に快勝、勝ち点1を挙げた。2-2の同点とした2回裏1死満塁、4番多木(たき)裕史内野手(3年=坂出)が左翼へ勝ち越しのグランドスラム。過去2年で54安打とリーグを代表する好打者の今季初安打が、大きな一打となった。立大は4-3で明大に競り勝ち、今日19日の3回戦で今季初の勝ち点を狙う。

 今季6打席目、ようやく多木のバットから快音が響いた。16日の1回戦は先発で1人無安打。「打ちたい思いが強かった」。外角高めの直球をたたき、左翼席へ放り込んだ。「多木が流れを戻してくれた」と金光興二監督(55)。2点先制し、勢いのあった東大の意気を消沈させた。

 開幕前の3月下旬、オープン戦で右ふくらはぎを肉離れ。この2戦も後半に代走を送られるなど万全な状態ではない。高校通算94本塁打を放った伊藤諒介内野手(1年=神港学園)の加入に、危機感も出た。「絶対に負けたくない気持ちが出た」。同じ内野として、1年春から出場を続ける自負と責任感がある。

 過去28人しか記録していない通算100安打を、現役で唯一狙える存在だ。55安打目はリーグ通算76本目となる満塁弾。「こだわりがあるといえばある」という大台へ向け、多木が3年目のスタートを切った。