<東都大学野球:東洋大11-1駒大>◇第1週最終日◇6日◇神宮

 東洋大が駒大に圧勝、勝ち点1とした。中1日で先発したエースの最速153キロ左腕、藤岡貴裕投手(4年=桐生一)は3四球に2死球と制球に苦しむなど疲労が見られる中、5回0/31失点で今季2勝目。亜大・東浜巨(なお)投手(3年=沖縄尚学)と並ぶリーグ現役トップタイの通算23勝目を挙げた。

 藤岡が「お疲れモード」の中でも勝ち切った。6回、先頭打者に死球を与えお役御免となるまで、最速は145キロが2球だけ。2回には、スパイクの歯が折れ曲がったため、マウンドで右足を滑らせる場面もあった。「履き替えようとしたら、替えのスパイクも歯が曲がっていました」と苦笑いした。

 前日2回戦で今年初めてリーグ戦で登板がなかったが、疲労は色濃い。今春リーグ戦から優勝した6月の大学選手権まで全試合登板。7月は日本代表として日米大学野球に出場。チームも最後のオフが8月22日と、今季開幕まで追い込んで練習してきた。そんな中でも「8割の力で」(藤岡)投げ1失点で勝ち切った。

 高橋昭雄監督(63)も、大黒柱を気遣った。「若いから一晩寝れば戻ると思ったんだけど、やはり疲れているね。温泉に行かせようかな。(藤岡の実家から近い群馬の)四万(しま)温泉もいいな。リフレッシュさせようか」。次戦20日の中大戦までに実現すれば、「大丈夫」と体の痛みも疲れも口にしない藤岡には大きな“休暇”となるに違いない。【清水智彦】