初戦から顔なじみ同士が激突した。石巻が石巻工を2-1で破り、“石巻対決″を制した。先発の最速143キロ右腕、後藤駿介投手(3年)が1失点(自責0)完投。1点差を守り切った。今春センバツ出場の東北は仙台商を5-3で退けた。昨秋4強の気仙沼は聖和学園に2-8で敗れた。

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「負けられない」。チーム全員の思いが勝利を呼び込んだ。石巻のエース後藤が最後までマウンドに立ち続けた。球数は8回途中で100球を超えた。疲労も襲っていた。それでも「ここで投げきらなきゃ勝てない」とギアを上げた。8回は1死満塁のピンチを無失点で切り抜け、最終回は連続三振含む3者凡退で1点差を守り切った。

終盤に入っても球速は130キロ後半をキープ。「後半にかけてどんどんギアを上げて、ストレートで惑わすことができました」と好感触。スライダーのキレも抜群だった。「地区大会と比べてコントロールが安定していたので、投げたいコースに投げて打ち取ったり、決めにいくところは三振を奪えました」と要所で投げ分け、8奪三振1失点(自責0)。保角剛監督(34)も「120点です」とうなずいた。

石巻工は同地区でお隣同士。顔見知りも多くいる。「中学時代のチームメートも結構いるので、絶対に負けたくない気持ちがありました」と後藤。よく知った相手にも強気に攻めた。「球速も変化のキレも1段階、2段階も上がっているので、相手に知られていても抑えられるという自信がありました」。その言葉どおり、成長を体現し、最後の春初戦を白星で飾った。

選手たちの闘志は指揮官の目にも映っていた。「お互いに顔もよく知っているので、やりづらさはあったかと思いますが、(石巻)工業に負けたくないとう選手たちの思いが、勝敗を分けたポイントだと思います」と話した。負けられない戦いを制し、頂点まで駆け上がる。【木村有優】