<東京6大学野球:立大6-2明大>◇第7週初日◇26日◇神宮

 明大・高山俊外野手(1年=日大三)が立大1回戦で3安打を放ち、規定打席数に達していきなり打率首位に躍り出た。ここまで38打数15安打、打率3割9分5厘。1年春の首位打者となれば史上3人目の快挙となる。試合は立大が勝ち、5連勝とした。

 “圏外”から“1位”へ。たった1日で、高山が打撃ランキングのトップに急浮上した。内角高めの直球を中前に落とした7回の適時打など、5打数3安打の活躍。「首位打者、意識してないと言ったらうそになります。きれいなヒットは少なくても、しぶといヒットで嫌がられる打者になりたい」。タイトルへの思いを素直に吐露した。

 ここまで11試合で41打席38打数15安打5打点。打率は3割9分5厘まで上昇した。前週までも4割近い率を保持していたが、途中出場が多く、規定打席数にわずかに達していなかった。善波達也監督(49)は「これで到達しましたよね。まだ粘れる打席もあったからちょっともったいないけどね」とにっこり。スタメン起用に親心をのぞかせた。

 しかし喜びと同時に、隠しきれない無念さもあった。どんなに打っても、優勝は前週敗れた早大に決定済み。そこには日大三高時代、ともに甲子園を制した吉永がいる。「自分負けるのが一番嫌いなんで。そりゃ悔しいです。あいつがいい成績だから、自分も結果を残したい」。4勝の吉永も勝利数、奪三振数、防御率で暫定1位を走る。高校野球引退後も一緒に汗を流した戦友と、投打のタイトルを独占するつもりでいる。

 「これでチームもいい流れに乗って、秋につながるようにしようと話してます」と高山。試合には敗れたがまだ1回戦だ。第2、第3ラウンドと打ちまくり、白星締めで大学初シーズンを終えたい。【鎌田良美】

 ◆高山俊(たかやま・しゅん)1993年(平5)4月18日生まれ。千葉・船橋市出身。飯山満小1年からホワイトビーストロングで野球を始める。七林中では船橋中央シニアに所属。日大三では1年秋から右翼でレギュラーとなった。3年夏の甲子園決勝で先制3ランを放ち、日本一に貢献。高校通算32本塁打。181センチ、84キロ。右投げ左打ち。

 ◆今春の首位打者争い

 1位の高山を追うのは、打率3割8分2厘の慶大・福富裕内野手(4年=慶応)。さらに3割7分9厘の早大・杉山翔大内野手(4年=東総工)3割7分の慶大・阿加多直樹捕手(4年=慶応)と続く。3人とも次週の早慶戦で1位を狙える好位置。「隠れ」首位打者候補には、高山と同じ1年生の立大・大城滉二内野手(興南)がいる。規定打席数が2足りないが、4割3分5厘をキープ。今日27日の2回戦で6打席回ってくるか、3回戦までであと9打席立てば規定打席数に届く。