<北海道6大学野球:函館大2-1東農大北海道>◇第1節初日◇27日◇苫小牧緑丘

 昨年に続く秋季リーグ制覇を狙う函館大が、東農大北海道に競り勝った。1-1の8回裏、7番藤本剛大右翼手(2年=函館工)が値千金の決勝打を右前に放ち、先発した塚野廉(3年=五泉)がこの1点を守りきった。秋連覇、そして明治神宮大会出場へ好発進した。

 藤本は「追い込まれていましたが、強く振り抜いたのが良かった」と振り返った。外角直球をはじいた打球は二塁手が差し出したグラブの先を抜けた。三塁走者の小林勇希一塁手(4年=大館工)が大喜びで生還。8回、失策絡みで同点とされた直後だっただけに、勢いを取り戻す一打だった。

 打力を買われた藤本は、1年秋から起用されるようになった。昨秋の明治神宮大会では、九州共立大の143キロ左腕・川満寛弥と対戦し3打席無安打。手も足も出なかったが「全国レベルが分かって、冬のトレーニングに取り組めました」とプラスに変えた。

 休み時間に大学内にある筋トレ室に行くと、いつも土屋晋助捕手(4年=浦和学院)がいた。「気持ち悪いくらいムキムキの体つきになろう」と急きょ「筋肉同盟」が結ばれ、顔を合わせると「気持ち悪いか?」が合言葉。そんな努力の結果もあって、この日の快打が生まれた。

 先輩土屋捕手との「気持ち悪い比べ試合編」は藤本がこの日、まずポイントを獲得!?

 両者の戦いがさらに白熱すれば、おのずとチームの白星も増えていく。【中尾猛】