<九州6大学野球:福岡大6-2久留米大>◇第1節初日◇29日◇桧原

 秋季リーグが開幕した。春秋連覇を狙う福岡大は、久留米大を破り白星発進。主将に就任した大学日本代表候補でプロ注目の梅野隆太郎捕手(3年=福岡工大城東)が先制犠飛と適時三塁打の2打点で勝利に導いた。

 梅野が代表仕込みの視野の広さを発揮した。1点リードの5回2死二塁、相手ベンチが「外せ」と指示を出しているのがしっかりと見えていた。初球は外角高め、ボール気味の直球。思い切り踏み込んで豪快にたたくと、打球はセンターの奥へ。強引な適時三塁打で試合の流れを呼び込んだ。

 昨年に続き日本代表合宿に参加したのは6月。プロ2軍などと練習試合を行った。ミーティングで守備位置の重要さを学んだ。「三遊間や二遊間の(野手の)位置も、打球が来る確率の高い方に指示を出していました」。投手だけでなく野手も積極的にリードする技術を持ち帰り、チームにも伝えた。

 1回1死一、三塁では左翼に先制犠飛を放った新主将。グラウンド外でもまさに「梅ちゃん先生」だ。寮の食事が出ない夏休みにナイン数人を集め、鍋や焼き肉パーティーで仲間意識を強めた。「話すことで野球での性格を知ることもできる。今までは個人個人でやってきた。チーム力を上げることでトーナメントも勝てるようになる」とリーグ連覇の先を見据える。1枚しかない秋の神宮切符を争う九州大学野球選手権、そして神宮で勝ち残れるチームに変えるために、全国レベルで学んで来たすべてを注いでいる。【石橋隆雄】

 ◆梅野隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年(平3)6月17日、福岡県那珂川町生まれ。片縄小2年のとき「片縄ビクトリー」で軟式野球を始める。那珂川中では「那珂川シャークス」に所属。福岡工大城東で1年夏からベンチ入りし、2年秋から正捕手。主将を務めた3年夏は県大会8強。高校通算25本塁打。福岡大では1年春から正捕手。1年秋から4季連続ベストナイン。173センチ、75キロ。右投げ右打ち。