<北東北大学野球:富士大5-1岩手大>◇第2週2日目◇2日◇青森・八戸東球場

 富士大が岩手大を下し3勝1敗とした。7回から救援の1年生右腕・多和田真三郎(沖縄・中部商)が3イニングをパーフェクトに抑えた。前日(1日)は7回まで「完全」。延長10回まで1安打無失点に抑えたが、タイブレークの11回に1-2で敗戦。その悔しさを晴らした。

 多和田が連日の快投をみせた。終盤3回を3人ずつで仕留め、1人の走者も出さなかった。181センチの長身ながら重心の低いフォームが特徴。最速は春季リーグで出した146キロ。普段は140キロ前後だが、球速以上に手元で伸びる。変化球を含め、抜群の制球力で相手打線をねじ伏せた。

 前日は7回までパーフェクトに抑えた。8回に1安打を許したが、10回まで出した走者はエラーを含め2人だけ。結局11回で2安打無四球13奪三振の快投を演じたが、タイブレークの2失点で涙をのんだ。この日は青木久典監督(39)が「昨日のこともあったし、意地をみせてほしい」と登板指令。見事応えた。

 多和田は「昨日は調子がいまひとつだったけど、今日は修正できた」。層の厚い富士大で今春から登板。東北3連盟対抗戦(7月)、震災復興支援試合(8月)の北東北連盟選抜にも選ばれた。震災復興支援試合では東京6大学選抜を相手に7~9回を1安打無失点に抑え、注目を浴びた。

 「チームの優勝のため頑張り、全国で投げるのが目標」と多和田。高校時代は沖縄大会決勝で惜敗。甲子園を逃した。だが大学では、逸材が全国の舞台でネット裏をうならせる日も遠くはなさそうだ。【北村宏平】

 ◆多和田真三郎(たわだ・しんさぶろう)1993年(平5)4月13日、沖縄県生まれ。中部商3年の昨年、夏の沖縄大会決勝に進出。糸満を相手に完投し、1-2で敗れた。富士大に進み、今年の春季リーグでは6試合に投げ3勝2敗。35回2/3で奪三振30、防御率1・73をマーク。181センチ、72キロ。右投げ右打ち。