<仙台6大学野球:東北福祉大6-4東北学院大>◇最終節第1日◇12日◇東北福祉大

 東北福祉大はタイブレークの延長10回、東北学院大に先勝し、2季連続64度目の優勝に王手をかけた。暴投で1点を勝ち越した4-3の延長10回表2死二、三塁、3番佐藤卓也(3年=埼玉・花咲徳栄)が打率首位(5割)をキープする走者一掃三塁打をマーク。8回途中から救援した波多野陽介(1年=新潟・日本文理)もリーグ初白星で、勝利に貢献した。

 東北福祉大の立役者は、打率リーグ首位の佐藤だった。1死満塁から始まるタイブレークの延長10回表。2番打者が三邪飛に倒れる嫌なムードを拭い去った。初球暴投を誘って1点を勝ち越した後、2死二、三塁から左中間に三塁打を放ち、試合を決めた。

 仙台大との第2戦(9月28日)では、この日と同じ延長10回タイブレークで敗れた。この時、先頭打者で三振に倒れた佐藤は「今回は力まずに打てました」と反省を生かした。5回表は右前打で出塁。1死二塁から次打者の右飛を捕球した相手右翼手の隙を突いて三盗。悪送球を誘って一気に生還した。ここまで打率5割、打点も首位と3差の計14打点で2位につけている。佐藤は「打つことで勝ちにつながり、結果はあとからついてくる」と、チーム優勝と個人タイトルを見据えた。

 投げては8回途中から救援した波多野が、10回裏の犠飛による1失点に抑え、2回を無安打でリーグ初白星を挙げた。仙台大とのタイブレークでは、やはり2番手で救援。10回表に犠飛で1失点して敗戦投手になった。最速147キロの本格右腕は「やっと勝てて、うれしい。もっと投球術を磨いて先発できるようになりたい」とリーグ登板6戦目の初勝利を喜んだ。

 春は1節を残して優勝を決めたが、最終節で東北学院大に敗れる悔しさを味わった。山路哲生監督(47)は計12残塁に、「打線を見直して臨みたい」と気を引き締めた。【佐々木雄高】