<明治神宮大会:亜大2-1明大>◇20日◇大学の部決勝◇神宮

 亜大(東都大学)が明大(東京6大学)を破り、7年ぶり4度目の大学日本一に輝いた。DeNA3位の嶺井博希捕手(4年=沖縄尚学)が先制ソロを含む2打点の活躍。先発した広島2位の九里亜蓮投手(4年=岡山理大付)は5回無失点に抑えた。亜大・嶺井は、母校・沖縄尚学の優勝で“ダブルV”となった。

 優勝が決まると亜大・嶺井は下を向き、大きく息を吐いた。「ホッとしたというのが一番。力が抜けた感じでした」。7年ぶり4度目の日本一を決めたのは頼れる主将だった。0-0の4回1死から左翼へ先制のソロ本塁打。6回も2死三塁から中前へ適時打を放ち貴重な追加点をたたき出した。

 試合後、「1人1人がチームに目を向けてやってきてくれた」と仲間に感謝した。今年のチームは自主性が重んじられた。練習メニューからミーティングまで全員が考え、結束。生田勉監督(47)の「入学から卒業まで約1200日、一生懸命やれば野球もうまくなる。最後の1秒まで大事にしよう」という言葉を実践した。決勝前夜には4年生が夜遅くまで打撃練習。悔いの残らないように全力を尽くし、大一番に臨んだ。

 今秋リーグ戦では5連覇を達成した。だが、時間の都合で胴上げを行えなかった。日本一を決め、ようやく訪れた瞬間。無数のフラッシュを浴びながら生田監督を3度担ぎ上げた。嶺井は「1年間ありがとうございましたという気持ちでした」と夕暮れの神宮で恩師の重みをかみしめた。25日からは同じく日本一となった母校、沖縄尚学での教育実習が控える。「将来は指導者になって子どもたちに野球を教えたい」。遠い将来の夢の前に、まずはプロの世界が待っている。【島根純】