名古屋の有名みそかつ店「矢場とん」が4日、名古屋市内で会見し、硬式野球のクラブチーム「矢場とんベースボールクラブ」(仮名)設立を目指すと発表した。

 監督には83年、中日ドラフト1位で指名され、現在は同社に勤務する藤王康晴氏(49)を予定している。「社長から(監督候補の)話を聞いた時は正直びっくりしました。指導者は初めてなので一から勉強です。山本昌と同期の私が再びユニホームを着ることが出来るのはありがたい」と気合に満ちた表情で決意を語った。

 選手は正社員で採用。業務をこなしながら津島市民球場で週2回(社員の公休日)の練習に励む予定。

 3代目・鈴木拓将社長(41)は設立について「若者の人材育成をすることが目的です。新卒を中心にやっていきたいと思います。地域を元気に出来ることを店だけでなく、野球でも発信していきたい」と意気込みを語った。

 年内まで募集を行い、大卒・硬式野球経験者を15~18人採用予定。愛知県野球連盟の加入を済ませ、来年4月1日の発足を目指す。全日本クラブチーム選手権出場を目標に掲げ、新たな挑戦に挑む。【上田博志】

 ◆藤王康晴(ふじおう・やすはる)1965年(昭40)4月13日、愛知県生まれ。享栄3年時のセンバツで11打席連続出塁(8安打3四球)の大会記録。83年ドラフト1位で中日入団。同5位が山本昌。日本ハムを経て92年限りで引退。矢場とんには12年に入社。現在は配送部リーダー。現役時184センチ、94キロ。右投げ左打ち。

 ◆みそかつ矢場とん

 1947年(昭22)創業の名古屋名物みそかつ専門店。かつにかかるサラリとしたみそが人気。東京、福岡にも出店。イメージキャラクターは横綱をしめた豚で親しみをこめて「ぶーちゃん」と呼ばれている。資本金1000万円。昨年度売り上げ30億6000万円。

 ◆選手募集要項

 大卒で硬式野球経験者が対象。矢場とんグループに籍をおくことが条件。エントリーは矢場とんホームページから。