広島が今秋のドラフト1位候補として早大・大石達也投手(4年=福岡大大濠)を最上位にリストアップしていることが2日、分かった。3日に行われるスカウト会議で報告される。大石は最速155キロを誇る大型右腕。ソフトバンクや阪神なども注目する今秋ドラフトの注目候補の1人だ。今季の広島は主力投手陣に故障者が続出し、今オフの補強ポイントは即戦力投手。大石は、その条件にぴったり合う逸材だ。

 広島が、早大の剛球右腕を狙う。スカウト会議前日の2日、球団首脳は「(今ドラフトで)1番の高評価は大石だろう。まあ、各球団、斎藤(佑樹=早大4年)と分かれて集中しそうだが」と各球団が熱視線を送る右腕について、広島としても最大級の評価をしていることを明かした。

 大石は最速155キロを誇り、切れ味鋭いスライダーも大きな武器。早大では大学1年からベンチ入りし、昨秋には東京6大学のベストナインに輝くなど主に救援投手として活躍。登板時以外は野手としても起用されるなど、身体能力も高い。昨年11月のU-26NPB日本選抜対大学日本代表(東京ドーム)では1回を2奪三振で無失点に抑えた。広島天谷からは直球で空振り三振を奪っている。

 広島は今秋ドラフトでの補強ポイントを即戦力投手に置いている。今季は前田健の成長ぶりがめざましいが、大竹や守護神・永川ら主力投手の相次ぐ故障で投手陣は苦戦続き。この日も先発スタルツらが打たれて中日に敗れた。苑田スカウト部長も「今回は右左は特に関係なく、大学・社会人で球の速い投手を2人補強したい」と話しており、1、2位でともに即戦力投手を指名するのが基本線となっている。

 3日に行われるスカウト会議では、大学・社会人のリストを24人から36人に広げ、確認作業を行うという。リストには、大石のほかに、斎藤、佛教大・大野雄大(4年=京都外大西)、中大・沢村拓一(4年=佐野日大)らが名を連ねている模様だ。

 大石指名となれば、地元福岡のソフトバンクなども1位候補に挙げており、他球団との競合は必至。今後も大石をめぐる動向をチェックし、徹底マークを続けることになる。