<東都大学野球:国学院大2-0中大>◇第7週最終日◇22日◇神宮

 最速157キロ右腕、中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)が、今季2敗目を喫した。

 エースの責任を果たせない悔しさが募った。試合後、沢村は「見ての通り、負けは負け」と切り出した。今季先発完投した5試合の平均失点は1点だが、味方の平均得点は1・4点(2試合が完封負け)と打線の援護に恵まれない。「負けない投手」を理想とするエースは「(14)三振を取っても0-2。点を取られなければ負けない。力不足」と自分への怒りを隠さなかった。

 0-0の4回、自らのけん制悪送球と犠打で1死三塁とされた。6番畠山に対しての2球目は、この日の最速156キロをマーク。7球目の内角直球でバットをへし折り、一ゴロに仕留めたかと思われたが、本塁送球が間に合わず(記録は一塁手の野選)先制点を献上した。「三振を狙ってた。ああいう形になって、自分が悪いですね」と言い訳にはしなかった。

 運命のドラフトまで5日と迫った。すでに巨人が1位指名の方針を固めている。意中の球団を表明することはできないが「意志あるところに道はある。信じて待つしかない。僕の意志は固いです」と口調を強めた。国士舘大(1勝)東洋大(1勝1敗)から勝ち点を挙げれば優勝の可能性が残されている。「ここから2連勝しますよ」。大学創立125周年のメモリアルVと、夢だったプロ入り-。まだあきらめるわけにはいかない。【今井恵太】