広島ドラフト2位の富士大・中村恭平投手(21=立正大淞南)が8日、今日9日の新入団選手会見を控え広島入り。プロ入り同期の中日1位大野らに「負けたくない」と負けん気を示す一方で、大学時代に東京・歌舞伎町でホストからスカウトを受けた端正な顔も魅力の左腕だ。実力を示して同期組の「顔」になる。

 ドラフト2位中村から驚きの告白が飛び出した。俳優小栗旬に似た顔立ちが話題になったときだ。

 「大学2年のときに『(ホストを)やらないか』と声を掛けられました。さすがに『いや、いいです』と断りましたけど」

 岩手・富士大2年。帰省で神奈川に戻り、新宿・歌舞伎町を歩いていると、スカウトマンに声を掛けられたという。

 ホストクラブが林立する全国有数のネオン街で、プロからルックスを認められた。「高校までバレンタインをもらったこともないです」と話すが、周囲を引きつける顔つきもプロでは魅力の1つになる。そんな甘い表情も野球の話題になると一変。球団は最速153キロの速球を高く評価し、2位での獲得を決めた。即戦力の期待を感じるからこそ心を引き締める。

 「1年目から、やってやるぞという気持ちです。やってみて、そのなかで体を鍛えていければいい。1年目から、どんどん投げられるのを目標にやりたい」

 発奮材料は多い。日本ハム斎藤(早大)ら超豊作の「ハンカチ世代」と称される一員だが、サウスポーとしての誇りもある。「左投手なら、同じリーグの塩見とかもいるし、負けたくないですね」。同じ左腕で同じ北東北大学リーグで鍛えあった八戸大・塩見は楽天の1位指名。最速151キロの佛教大・大野も1位で中日入り。実力者がそろう同期で、NO・1左腕になるのも目標になる。

 お手本はやはり、同じ左の中日チェンだ。「真っすぐがすごいですよね。(理想は)手元でピュッと伸びる球筋です」。スポットライトを浴びるのはネオン街ではなく、もちろんグラウンドの中央だ。コイのイケメン左腕は、目の覚めるような剛速球で打者をメロメロにする。【酒井俊作】