東都大学リーグ中大に進学する琉球のトルネード左腕、興南(沖縄)島袋洋奨投手(3年)が来年4月の開幕戦に先発する可能性が11日、急浮上した。国学院大の優勝祝賀会に出席した中大・高橋善正監督(66)は、絶対的エースだった巨人ドラフト1位の沢村拓一投手(22=佐野日大)が抜けることを受けてこう言った。「(開幕投手は)競争になる。その中に入るだけの力はあると思っている。そりゃ(島袋が)なるに越したことはない。中大にとっても、東都にとってもいいこと」と期待を込めた。

 沖縄県勢初の甲子園春夏連覇を達成した島袋は、9日に正式な合格通知を受けた。同リーグで1年生が春の開幕投手を務めれば07年の国学院大・村松伸哉投手(4年=光星学院)以来。現在リーグ通算17勝の亜大・東浜巨投手(2年=沖縄尚学)は回避した。

 東京6大学では日本ハム1位の斎藤佑樹投手(22=早大)が1年春の開幕戦に先発して勝った。神宮の主役が抜ける来季、ニュースター候補の衝撃デビューは実現するか。元巨人の完全試合男、高橋監督は「変化球でもストライクが取れる。右バッターのインコースが攻められる」と魅力を解説した。

 先輩の「プロ1年生」沢村は巨人原監督から開幕投手候補の1人に挙げられたばかり。大役は最速152キロ右腕の鍵谷陽平投手(2年=北海)入江慶亮投手(3年=浜田)らと争うことになる。「スポーツは力がすべて」と高橋監督。島袋は2月1日に合流する見込みで、同10日からの宮崎キャンプに帯同する予定だ。早大・斎藤が卒業する大学球界が、トルネード旋風を待ってる。【前田祐輔】